京都大学研究グループ、うつ病の新たなバイオマーカーを発見
京都大学大学院医学研究科の研究グループは6日、うつ病患者の血液中に特異的に存在する新たなバイオマーカーを発見したと発表した。この発見により、従来は問診や心理検査に依存していたうつ病の診断が、客観的な血液検査によって可能になる可能性がある。
研究グループは、うつ病患者200名と健常者200名の血液サンプルを詳細に分析した結果、うつ病患者の血液中に特定のマイクロRNA(miRNA)の発現パターンが見られることを発見した。このmiRNAは、脳内の神経伝達物質の調節に関与しており、うつ病の病態メカニズムと密接に関連していることが示唆された。
今回発見されたバイオマーカーは、うつ病の診断精度が約85%と高く、特に治療抵抗性うつ病の患者では90%以上の精度で検出できたという。研究チームは「この発見により、うつ病の早期診断や治療効果の予測、さらには新たな治療法の開発につながる可能性がある」とコメントしている。
今後は、より大規模な臨床試験を実施し、実用化に向けた検証を進める予定。早ければ2027年度中に保険適用を目指すとしており、メンタルヘルス医療の大きな前進として期待されている。