厚生労働省、企業のメンタルヘルス対策強化を発表 ストレスチェック義務化の拡大へ
厚生労働省は10月31日、企業におけるメンタルヘルス対策の強化方針を発表した。現在50人以上の事業場に義務付けられているストレスチェック制度を、2026年4月から30人以上の事業場にも拡大する方針を明らかにした。
背景には、働く人のメンタルヘルス不調が増加している現状がある。厚生労働省の調査によると、精神障害による労災認定件数は過去5年間で約1.5倍に増加しており、特に若年層での増加が顕著だという。
今回の方針では、ストレスチェックの義務化範囲の拡大に加え、産業医による面接指導の充実、職場環境改善の具体的な支援策なども盛り込まれている。また、オンラインカウンセリングの活用推進や、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援プログラムの標準化も検討されている。
企業の人事担当者からは「中小企業でも対応が必要になるため、準備期間が重要」との声が上がっており、厚生労働省は企業向けの説明会やガイドライン整備を進める方針だ。専門家は「早期発見・早期対応が重要であり、企業規模に関わらず従業員のメンタルヘルスケアは経営課題として取り組むべき」と指摘している。